頂上でビレーをする男と
命綱を持ったヨハン。
Johanがドロップインする前の写真です。
頂上の機材やロープを持っている姿、見えますか?
この撮影は1998年アラスカの Odends ladderという山で行なわれました。
撮影クルーを乗せたヘリが周りがゆっくりと旋回。いよいよヨハンが命綱を手放して、60度以上の斜面にいよいよ挑む。
…。そして(ヨハンの後、頂上にいるデイブ自身もこの斜面を滑ります。)
1998年、バルディーズ、アラスカ。
ヨハン・オロフソンのオーディンズ・ラダーの滑りは伝説となっている。
ブライアン・イグチ、ジェレミー・ジョーンズをもってしても
あの滑りはクレイジーだと、唸らせる。
ヨハンはその後もアラスカを始めとしたエクストリームフィールドで限界まで
攻めていたが、あるとき熱が冷めたようにメディア・シーンから姿を消す。
滑ることをやめたわけではなく、ただ滑りたくなったのだろう。
現在もカナダのバックカントリーや地元スウェーデンで、
ノーボードやスプリットボードをしているそうだ。
険しい岩山をローリングロックと化した鬼神の滑りは
ヨハン本人にとっても伝説なのかもしれないが、
あのときも、今も滑りを楽しんでいることだけは間違いないだろう。
文 樋貝吉郎(2011年 夏)